フォーラムあるべき姿を考える【まちを元気にしたい人の活動・農業】

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農業実践者それぞれが、それぞれの事業を持続していくために試行錯誤をしている状況の中、総務省は、2019年に発表した調査で新規就農者の離農率が高い傾向にあることを明らかにしました。
離農の要因には、十分な販路の確保ができないことや、希望する仕事と実際の現場業務のミスマッチ、キャリア支援体制が整っていないことなどがあります。
そんな厳しい状況の中、就農者が自身の事業を成り立たせ、持続させていくために大切に考えるべきことはなんなのか?
2年間の独学による農業修行を経て、2022年(令和4年)に岐阜県八百津町にてサツマイモ栽培で就農をした、「inBox農園」園主:今井健人さんの事業内容に触れながら考えてみましょう。
商学博士である、SAEKI Business Economics Labo 佐々木陽介氏をお招きして、経済の専門家と農業実践者のトークセッションという形で、「農業経営を考える」というテーマを軸に進めさせていただきます。

目次

あるべき姿を考える【まちを元気にしたい人の活動・農業】」への40件のフィードバック

  1. 「あるべき姿を考える【まちを元気にしたい人の活動・農業】」
    農業×経済
    まずは、フォーラムでのディスカッションから始めさせていただきます。

  2. 主催者の方からのご要望で、すこし自己紹介を。

    僕は大学院修了(博士号修得)後、28歳から大学の教員をしていました。専門分野は経営学、交通経済学です。
    研究のテーマは航空産業の経営戦略ですが、同時に交通経済学の立場からは、交通弱者の問題などから、まちづくりにも参加してきました。

    ところで、、、

    「経済」って、誰もが普段から接しているこで、全ての人に身近なこと。居酒屋の話題にもなります。
    とは言え、どれだけ「経済」を理解しているかは別の話です。

    「学者」というと白衣を着ている理系の方のイメージが強いようで、例えば〇〇科学者というとすごく尊敬されるのに、経済学者というと、「どうせ学者先生の机上の空論」なんて言われてしまい、結構凹みます。(笑)

    こうしたことから、実は経済学の立場からまちづくりに参加するのは歓迎されないことがままあります。

    経済学を含め社会科学は、世の中の本質的な問題点を考える学問なので、話題が暗くなってしまうのです。
    例えば「過労死防止学会」なんて、僕自身が過労死するか鬱になってしてしまいそうなテーマばかりですから。

    それでも経済学は、明るい未来を目指しています。そして明るい未来とは、人それぞれ違います。

    だからこそ、経済学者がまちづくりに参加するときには、まちの人の‘希望’を見つけます。そしてその、‘希望’を実現するための戦略、つまりストーリーを考えます。

    今回のセッションは、皆さんと共に、八百津の新たなストーリーの扉を開く会にしたいです。

    1. ありがとうございます!

  3. 先日佐伯先生と、対面でお話しさせていただいた時に、
    「まちおこしで成功している町は「痛み」をしっている町だ。」
    とおっしゃっていたのが、とても印象に残っています。
    これまで、いろいろな地域のまちづくりの事例を見たり、実際に関わったりしてきた中で感じたことなのでしょうと感じました。
    そんな中で、町に関わり、コトをおこしていく中で大切なことってなんだと思われますか?

    1. まずは、「こうしたい。こうなりたい。」というビジョンを持つこと。
      そして、そこに向かうために「何をすべきか」
      ということを、具体的に考えることだと思います。

      まずは、今井さんにお願いです。可能かどうかは考えずに、「こうなったらいいな」というビジョンを、簡単にお願いできますでしょうか。

  4. はい!簡単にまとめると、

    まず大前提として、地元の農地が農地として活用されている、とう姿を目指したいです。
    その上で、さつまいもを軸として収穫体験やカフェなど人を呼び込む仕組みを作りたいです。
    また、ウチのインスタアカウントがinbox.agrisportsとあるように、農業×スポーツを仕掛けたいです。
    前は、マイナースポーツ等でプロを目指している若い人に、手に職(農業)を身につけながらトレーニングをしてもらう事を考えていました。そうやって、八百津に移住をしてもらったり、スポーツで活躍して八百津やさつまいもをアピールしてもらったりです。これは、僕がサイクルスポーツやってる関係でプロロードレーサー目指す子と関わりたいですね。

  5. 僕自身今まで沢山の方にお世話になって色々と教えてもらってきて、この歳になって次の世代に色々と繋げる事で恩返しがしたいと言う思いもあります。

  6. 今井さん、ありがとうございます。
    とても良いと思います。

    何が良いかというと、「これをしたい」「こうなりたい」という明確なビジョンがあることです。

    今回をきっかけに、あらためて「まちづくり」とは何かを考えましたが、それは人が「どう生きたいか」とか「何をしたいか」という気持ちを実現させる「場」や「環境」を作ることだと思います。
    このような人の気持ちやビジョンが積み重なって、そのまちに関わる人にとっての、まちの「在るべき姿」が出来上がるのだと感じます。

    1. ありがとうございます!素敵なビジョンですよね。

      今井さんの「地元の農地が農地として活用されている」というビジョンは、逆に言うと、本来は『あたり前の姿』が維持しずらくなっていっている状況があり、その『あたり前』を取り戻さなければならないという想いから描かれたものだと思うのです。
      そして、その想いは、八百津町の人達だけではなく、多くの日本人が感じていることでもあると思います。
      そういう意味で、今井さん以外にも多くの人達の想いやビジョンもそこへ積み重なって、新たな『あるべき姿』が生まれる可能性も秘めているような気はします。

  7. 「さつまいも(農作物)」を食べたいという需要があるから、畑を耕し『商品』を作るという仕事が成りたっていた『あたり前』が、『あたり前』ではなくなっているのか?
    『あるべき姿』をとりもどすための、さつまいもを軸として人を呼び込む仕組み作り。
    今までとは違った方法『「さつまいも」を軸とした、お客さんを呼び込む仕組みづくり』を目指して行くという、
    「さつまいも(農作物)」を出荷するという仕事の流れから、
    「さつまいも(農作物)」で人を呼び込むという発想への転換もおもしろいなぁと思いました。

  8. 農業の事例でなくても良いのですが、このような発想の転換での、なにか成功事例ってありそうでしょうか。

  9. 少し話が違いますが、「イノベーション」という考え方があります。これは日本語では、「新機軸」や「革新」と表します。

    もう少し説明すると、イノベーションは世の中の考え方や常識が変わることで生まれる新しい考え方ですね。

    イノベーションを起こす方法として、「トレード・オフを解消する」というものがありますが、こんな例が有名です。

    例.1 「ブランド」の考え方
    □ブランド=高品質、高価格

    □生活用品=低価格、消耗品

    □P&G 低価格、高品質の世界的ブランドに成長

    例.2「ウオークマン」
    □音楽は家で聞くもの=既成概念、常識

    □カセットプレーヤーは録音するもの=既成概念、常識

    □録音機能をなくして小型化、そとでも聞ける

    こんな感じです。
    相容れない常識を組み合わせて、新しい価値を生み出すことも大切ですね。

    1. なるほど!
      既成概念をくつがえして、新しい価値を創造する。
      めちゃくちゃクリエイティブな話ですね!
      ワクワクします

  10. これまでの、「農業」という活動に、農作業、農作物の食品としての価値以外の価値を新たに与えるということ。

    以前、林業のボランティア活動をしている方と話していた時に、「農林業」とは、『業(業務、本務、仕事)』であるべきなのか?という話になったことがあります。
    その時のその話に、わたしはピンと来てないところもあったのですが、この方達が感じた農林業への新たな価値を「トレード・オフを解消する」という話に結びつけていくこともできるなぁと思いました。

    「仕事」「食品としての商品を作る」という価値だけではなく、農作業をする、農作業に係ることから得られる『満足感』や、『土を触ることから得られる癒しの感覚』『植物を育てあげた達成感』などの価値に目を向けて行くということにも、「地元の農地が農地として活用されている」という状態を維持するために、人々が積極的に活動する理由を見出すための可能性は充分にありますよね。
    これまでの固定概念を覆して、価値をみなおしていく。

    1. 僕自身そんな大層な事を考えて始めたわけではないのでごめんなさい(笑)
      でも、僕自身、最初農作業は「楽しい!」と思いました。そして、収穫をみんなでやったらワイワイと賑やかで、それでいて美味しくて最高じゃないか!と感じたんです。
      それを出来るだけ多くの人に伝えたいなぁと思いまして。

      地元の両親が、ふと言った一言「どうせ八百津は人がいなくなるから…」を聞いた時に、色々とピースが嵌まった気がして、動き出してしまいました。

      1. こちらこそ。理屈こね回してる感じになっててすみません(笑)
        私の方でも、今井さんの話や行動に無理矢理理由付けをしていっているような感じですし(笑)
        でも実際は、その場で起こったことだけが、今の真実です。
        まずは、今井さんが「楽しい!」と感じて、「将来に向けて守りたいもの」があって、その気持ちから動き出すってことが無ければ、なにも始まらないわけだし。

        ‥なんですけど、あえて、さらにそこへしつこく理由をつけていくと‥。
        今井さんが今起こっている事象を知って、それがどういうことを意味するのかを自分の中で冷静に判断し、どうしたいのか?どうしていくべきなのか?どちらへ進むか?のざっくりとした方向性を判断し、実行に移した、ということが、現在の状況。

        今後、「行き当たりばったり」ということではなく、「走りながら考える」ってやりかたで、その都度『実際に起こっている事』を冷静に分析しながら判断するということを繰り返していくことになるのだと想像しています。
        ガンガン理屈こねくりまわしてます………(笑)

        1. ただ、この「理屈」って
          ノリノリで走ってる時や、事態が良い展開で回っているときには全く必要ない、めんどくさいだけのものだと思うんですけが、行き詰ってしまったり、道に迷ってしまった時にはとても頼れる道しるべになると思うのです。

          成功事例や過去の偉人達が考え出した法則などで、「この後なにが起こるか」「この活動から、どんな成果が期待できるか」などをある程度予測することができると、目の前に壁が立ちはだかった時や、進む方向が見えなくなってしまった時に、「今は辛くても、こっちに進む意味がある。」と、安心させてくれるものになるなぁって。

  11. さて、今井さんのご両親がおっしゃった、「どうせ八百津は人がいなくなるから…」という言葉についてです。
    これは、『八百津町人口ビジョン』の中にも記載があるのですが、
    ——-
    八百津町の総人口は統計開始の 1980 年から減少しています。
    1980 年から 2010 年までの30 年間の 5 年ごとの減少率は平均▲3.67%で、その減少率は国勢調査のつど大きくなっています。。1980 年から 1985 年にかけての減少率は▲1.53%でしたが、2005 年から 2010 年にかけての減少率は▲6.88%と、減少率が大きくなっています。
    ——-
    となっています。
    令和5年5月1日現在で、八百津の人口は10,175人。(平成27年 11,027人 令和2年 10,195人)

    また、
    ——-
    八百津町の総人口は年々減少し、生産年齢人口及び年少人口は長期にわたって減少傾向にあり、少子高齢化は今後一層本格化することを前提に考慮していく必要があります。
    ——-
    とありますので、今後も人口減少率はさらに加速してあがっていくことも予想できる状況です。
    そんな中、全校児童11人1・2年生ゼロの潮見小が、2022年度(2023年3月31日)で廃校となりました。

  12. また、農業経営のむつかしさに、担い手不足も加わって、町内の田畑は休耕田としていかざるを得ない状況に追い込まれていく場所も増加の一途をたどっています。

  13. 僕は勢いで物事を進めてしまうので、しっかりここで議論出来ると大変勉強になります(汗)

    休耕田なんかは、やはり目につきはじめた時にはかなり深刻化している時だと思います。
    これは時間が解決してくれる類のものではなく、可能な限り早く対策しなければならない問題だと考えています。
    行政も課題であると捉えているはずですが、どこまでいっても行政が田畑を耕してはくれません。これは、行政だけの問題ではなく、地域の問題であるので、当事者は地域の自分達であり、解決するのも自分達が中心になるべきだと思います。
    ただ、自分達だけでは解決出来ないから現状になっているので、何となくヤバいなけどどうしたら良いか分からないって認識から先に進まないと…
    今を担っている僕たちが今解決しないと、僕の子供達の世代には残したくない問題だです。

  14. それに、田畑が荒廃するのは経済的にメリットが少ないと思われる事が一番の問題だと思っています。
    田畑が経済的にメリットを生み出せば自然と人や資源が集まってくる、と僕は考えています。
    そこら辺の認識甘かったらご指摘頂きたいです。

  15. 人口減少や高齢化の問題は日本全体の問題で、地方都市では特に顕著ですから、これは長期的な手立てが必要です。
    しかしこれらの問題に限らず、まちづくりや事業経営も長期的に考える必要があると思います。

    このための考え方が戦略ですね。

    戦略について、僕は講義では、「目的達成のまでの、実現可能なストーリーを計画化して実行すること」と説明しています。
    この「目的」がビジョンです。

    要は、その人、その企業、そのまちが、将来どうなりたいかを考えた上で、実現のためのストーリーを考えるわけです。

    そしてビジョンの考え方ですが、現在はバックキャストという考え方が必要だと考えられています。
    これまでの戦略の考え方はフォアキャスト(前に投げるの意)と呼ばれ、以下のような考え方です。

    [現状] → [なりない未来の姿]
         ⇓
      どうしたらなれるか

    これに対して、バックキャスト(後ろに投げるの意)は以下のような考え方です。

    [現状] ← [なるべき(在るべき)未来の姿]
         ⇓
      何をすべきか

    まずはビジョンや価値基準を持つことは、様々なことを実現するための第一歩です。

    ところで、今井さんの意見で、1つ勉強になったことがあります。

    農業は事業ですから、農産物を売って利益を得ることです。しかし今の農業が提供できる「価値」はたくさんあるのてすね。
    農産物を得て利益を得ることもはもちろんのこと、作ることを楽しむ、植物の成長を楽しむ、自然に触れる、命を学ぶ、料理する、美味しく食べるナドナド、本当に色々な価値を提供できると感じました。

    こうした様々な価値を理解して、今井さんの事業が何を提供するものになっていくのか、誰と関わっていくのか、考えるとワクワクします。

    1. ***************
      [現状]
      ◎ 進む八百津町の人口減少
      ◎ 少子高齢化
      ◎耕作放棄地の増加
      ◎ 担い手不足
      ◎農業に対する経済的にメリットが少ないというイメージ
      ***************
      [なりたい未来の姿][なるべき(在るべき)未来の姿]
      ◎ 地元の農地が農地として活用されている状態
      ***************
      ここから、
      どうしたらなれるか、何をすべきか
      を考えて行く。
      その可能性として、「農業の新たな価値を見出していく」ということがある。
      ということで良いでしょうか。

      1. 一つ質問なのですが、
        バックキャスティングのスタート(?)になる「なるべき(在るべき)未来の姿」と、フォアキャストのゴール(?)になる「なりたい未来の姿」に描かれるものは同じ未来像なんですか?
        なぜ、現在はバックキャストという考え方が必要と考えられているのでしょう?

  16. 20世紀、特に1990年頃までは、良くも悪くも、世界は1つの方向を向いていたのではないでしょうか。
    簡単に言えば「より豊かになる」という方向です。

    しかし1990年代以降、人が求めるものが、単なる豊かさだけではなくなりました。
    また東西冷戦後の世界は、多くの紛争や貧困といった、それまで目を向けてこなかったなかった様々な問題が表面化します。
    そして2001年同時多発テロ事件が、世界中の人々に、世の中の‘歪み’を思い知らせることとなりました。
    またこの時期、世界でいくつもの企業の不正や隠蔽が明るみに出ました。

    奇しくも今重視されているSDGsは、以前は様々な機関が担っていた問題を1つにまとめ、2000年に打ち出されたMDGsが基になっています。

    21世紀に入って、人々はようやく単に豊かさを求めるのではなく、どんなふうに生きていきたいのか、それを実現するためには何をしなければならないのかを考えるようになったのです。

    そのため、フォアキャストの場合は、それぞれのなりたい姿、企業でれば、○年後に、売上○○円といったビジョンでした。
    しかしバックキャストでは、○年後の世の中はこうなる、だから○年後までにこんな会社にする、といった考え方です。

    例を挙げましょう。
    トヨタとホンダは、同じ自動車会社でが、ビジョン刃かなり異なります。
    トヨタは単に車を売る会社ではなく、総合モビリティ企業、つまり人が自動車を所有しなくなったとしても、世の中にあらゆる「移動」を提供することをビジョンにしています。
    一方ホンダは、モノづくりの技術であらゆるモノを作り出すというビジョンです。

    こんなふうに説明すると、「学者さんみたいに未来のことなんかわからない」と言われることがあります。
    ですが、難しく考える必要はありません。

    例えば子育て移住で成果をあげているまちは、子供の笑顔でいっぱいのまちにしたいと考えて、その環境を整えました。

    つまり、「どんな生き方をしたいか」を考えればよいのです。そうしたまちの人々の、それぞれのビジョンを叶えるシナリオがまちの戦略になります。

    今回の今井さんのビジョンは、そうした「目指す姿」の1つですね。

    1. 『○年後の世の中はこうなる、だから○年後までにこんな会社にする』
       ↓↓↓↓↓↓↓↓
      八百津町の少子高齢化は今後も進み、令和15年には、八百津町内の中学は120人になることが予想されており、「将来的には1小学校1中学校とすることが適切である。」と考えられています。しかしながら、統合に向けては様々な課題があります。
      ※八百津町小中学校の今後の在り方について【 答申書 より】
      https://www.town.yaotsu.lg.jp/secure/10240/toushinsho.pdf

      2014年において、生産年齢人口 15歳~64歳以下 6,014人
      65歳以上人口 4,072人
       ↓↓↓↓↓↓↓↓
      『だから○年後までにこんな八百津にする』
      という感じですかね。

  17. 楽しく農業をしよう、Webフォーラムという形での開催ありがとうございました、すごく興味深く読ませていただきました。耕作放棄地の問題やこれからの八百津の在り様など、自分も何かできることがあるのかなぁと思わせていただきました。佐伯先生のバックキャストのお話、そして「どんな生き方がしたいか」という提議は響きました。また今井さんの日々の奮闘にも頭が下がります。私自身はこれまで自営業を経て、今は公務員として働いていますが生き方の根底にあるものは「自分の好きなことをする」です。その流れで今は週末に畑を作ったり、山仕事をしています。いやぁ、ほんとセッションで直にお話が聞きたかった。またYAOTU MALLも単なる地域モールかと思っていましたが、とても素敵な運営がされていますね。武藤様、ありがとうございます。またイベントにも折をみて参加させていただきます。 

    1. 神田さん、感想のコメントをありがとうございます!
      イベント参加申し込みをいただいていたのに、中止という形になってしまって、本当に申し訳ありませんでした。
      まずは、WEBフォーラムという形から、状況が整い次第、またオフラインでの開催を目指していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
      「自分の好きなことをする」
      基本的には、みなさんそうであって欲しいですよね。
      私は「自分で自分をどれだけ楽しませることができるか?」ってことを考えながら日々生活しています。これって、意外と難しいことなんですよね。
      このフォーラム、このあともまだつづきますので、引き続きお楽しみいただければ幸いです。
      是非今後のイベント参加もご検討くださいませ。
      またお会いできる機会を楽しみにしております!

  18. 今井さんのご質問に意見を述べていませんでした。

    どこまでいっても、人は食べなければなりません。食べていくためには農業は不可欠です。
    例えばAIなど、新たな技術で、農業がより楽になることは確実でしょうが、国家経済を考えた場合、やはり他の産業が優先になってしまいます。
    しかしどんな場所でも、「生産」が増えれば経済活動は活性化します。
    しかしこれまでの話から考えれば、農業は必ずしも食料生産だけでなく、それ以上の価値を生む可能性がありますし、今井さんのビジョンには、その可能性があると思います。

    哲学者マルクス・ガブリエルは、倫理資本主義を唱えています。
    人はコロナ前に戻りたいとは思っておらず、パンデミックの間の、様々な「倫理」に従った行動と価値観を望んでいると述べています。
    簡単に言うと、「儲け主義はもうたくさん、人のためになる社会がいい」ということですね。

    農地問題はそれほど時間が残されていないのは事実です。しかし今井さんを始めとする人々の「ビジョン」は、単に自然に触れたいとか、何かを育てたいなどといった希望を超えて、1つの生き方の指針になったらいいなぁと感じました。

  19. 神田さん、ありがとうございます。

    僕は師の教えから、ついつい「どうあらねばならないか」と考えてしまうのですが、これって結構キツイです。

    1つの価値観に向かう時代は過ぎ去ったわけですから、それぞれの「好きなこと」がそれぞれの価値として認められ、それを「好きな人」が応援する、それこそが多様性でしょう。

    このとき、「好きなこと」が「好き勝手」になっては困るわけですが、先にも述べたように、倫理資本主義という社会では、倫理を最大の価値基準としていますから、それぞれの「好きなこと」が集まって、好きな人、好きなまちが出来上がっていくことが望ましいのでしょう。

  20. 今井さん、神田さんの意見にコメントを書いていて思ったことがあります。

    パンデミックという恐怖の中で、人は倫理的な行動を求めるようになっていると書きました。このマルクス・ガブリエルの意見には賛成で、社会全体ではそのようになり始めたのだと思います。

    しかし一方で、世の中には、あまりにも稚拙で幼稚な犯罪なども見られます。
    こうした問題を起こす人たちは、「好きなこと」がないのだと思います。
    別に大したことではなくてもいいのです。好きなことをする人たちのまちは、「好き勝手」しない人のまちになるように思いました。

  21. マルクス・ガブリエルの倫理資本主義は大変勉強になりました汗。ただ、新しいように見えてなんだか江戸時代の商売十訓などを思い出します。
    いつの時代もお金の使い方というのは人を悩ませるのですね。

    佐伯先生のおっしゃる「多様性」の考え方ですが、すごく腑に落ちました!
    今後の僕のテーマの一つにしたいです。

  22. 色々な方を認め合い、応援する多様性ならば、八百津町という土地・地域の素晴らしい点を知ってもらえる僕の事業は殊更だと確信出来ました。
    ただ、農業を通じて地域を元気にしたいという初心を忘れてしまったら、これからの社会には適合しかねるということは肝に銘じておきます。

    1. 今井さんのような方なら大丈夫だと思います。

      これは僕の考えですが、言葉には「重さ」と「温度」があると思います。例え声が小さかったり、優しかったりしても、ちゃんとあります。逆に声が大きいだけで、言葉に重さも温度もない人もいます。

      「好き勝手」ではない、したいことをしている人はビジョンを忘れたりしません。

      例えば僕は企業の理念を作るお手伝いをすることがあります。
      このとき、絶対にコピーライティングはしません。思ってもいないことを理念にしても、ばれてしまうし、かえって信用を失うからです。

      ただ農業がやりたいだけなら、家庭菜園でも構わないし、八百津である必要も有りません。
      今、八百津で行動を起こしている今井さんは、1つの立派なビジネスモデルであり、生き方の事例だと思います。

      これは武藤さんも同じですね。

      1. 今回わたしはつたないながらも『進行役』という形でこのフォーラムに入らせていただいていますが、話の流れを見ればみるほど、「あれ?私の話をしてる?」と、錯覚することが何度かありました。
        わたしがやっていきたいと思っていることは、「八百津にある情報の整理と発信」です。
        印刷物を作ったり、ホームページをつくったり。その中に掲載する情報をどんなものにしたら良いのかなと考え、形にすることで、過去からつづく、八百津町内の大きな流れや、ここに住む人たちの想いを可視化できる状態をつくりあげたいな…と考えています。それが一番無理が無い自然なブランディングだと思っているからです。
        ここまでの話の流れをみてきて、
        『デザイン』と『農業』でその入り口は全く異なったものですが、やりたいことは同じなのかな?と感じました。
        アウトプットの手段を、わたしは言葉だったり視覚にうったえるものだったり‥と言う方向へ向けていますが、
        今井さんは、『農活動の形・あり方』ということで表現されているのかなぁ…と。

        1. 「ブランディング」という言葉が出てきたので。

          現代のブランディングは、基本的にほとんどが「Re·ブランディング」です。
          新規開店のお店などはありますが、全く新しい製品やサービスというのはほとんどありませんから。
          既存のものとどのように違うのかを、明確に説明できるようなものは、ほとんど存在しないのではないでしょうか。

          だからこそ、「Re·ブランディング」では、どんな価値を実現できるか、つまりそのブランドが考える「在るべき姿」を明確にして伝えることが必要だと思います。

          武藤さんはこれまでも「伝えるべきこと」=「在るべき姿」をさがしていたのではないでしょうか。
          ただこれからの作業が「Re·ブランディング」になるので、新しい八百津の価値としての今井さんの活動があるように思います、

          1. 調べました。
            『リブランディングとは、既存のブランドを時代や顧客に合わせて再構築すること。』
            なるほど、まさにそうですね。
            もともとの形は変えずに、伝えやすい、伝わりやすい形を考えているという感じなので。

            知ってもらえれば、きっと気に入ってもらえると確信があるのだけれど、その良さが一言では伝えきれなくて。
            ひとめ見てもらうだけでも伝えきれなくて。

            知って、理解してもらうまでには、少し勉強してもらわなければならない部分がある。
            そういうものを伝えたい時。。
            楽しい、「体験型WS」という形が有効なのでは?ということで開催しているのが「山里で遊ぶ」です。
            もっと幅広く、いろんな層の方々へアプローチするには、どういう形をとるのが良いのか…常に試行錯誤中です。。

  23. これまで色々なWSを開催されているのを見ると、本当に頭が下がります。
    単に「イベント」というだけでなく、八百津の色々な「魅力」を体験する場を設けているのは、なかなか大変かと思います。

    このフォーラムも、必ずしも、単に「楽しい」だけのものではありません。
    僕は外部から学識者として意見やアドバイスを述べていますが、今井さん、武藤さんは、まちに住む、関わる立場で、苦労なども挙げながら考えて下さっていることに、大きな意味があると思います。

    良いこともそうでないことも、こうしたことを踏まえたうえで、これからの八百津を考えていくことは、文字通り「Re ブランディング」であり、新たな八百津の方向性の1つを示すものではないでしょうか。

  24. 僕がロジカルシンキング、マーケティングの講義を担当する、広告デザイン専門学校の写真部で、「八百津フォトコンテスト」に参加するために撮影会を計画して下さっています。

    このフォーラムを読んで下さった校長先生から、意見を頂きました。

    様々な自治体や団体が行動をしている中で、それが政府に届かないことが残念でなりません。
    「国民の声を聞く政府」は聞かない総理によって、国民の声を訊こうとしない政府となり、既得権益の声ばかり聴こえる耳を持ち、国民生活に効かない政策ばかり推進する。

    様々な「まちづくり」などの場で、それぞれの「場」の方々が、色々な努力をされていて、これは本当に勉強になります。そうした中で、たまたまとは言え、始めてこのフォーラムを読んで下さった方が、このような意見を下さるという状況にこそ、意味があるように思います。

    1. いろんな事情が絡み合った中での難しい判断をされているのだろうな…と思いつつも、現在中心となっている方々の特徴?色?のようなものも影響しているのかなと思うと、いろいろと考えてしまいますよね。
      まず、私たちのできることは、手の届く範囲での努力だったり、まずは知る事だったりなのかな…って思います。
      このフォーラムが、読んでくださった人が知らなかったことを知っ(調べてみ)たり、考えて見たり、議論してみたりするきっかけになる可能性があるとしたら、とてもうれしいことですね。

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【開催形態変更】山里で遊ぶ2023 Vol.02 あるべき姿を考える【まちを元気にしたい人の活動・農業】さつま芋団体を作りたい。~楽しく農業をしよう~
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2023/05/30 投稿
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