コース内容
錦織綱場 [エリア01]
錦織綱場の開設年代は鎌倉時代に起源すると言われ、足利時代の永正年間には、錦織村河上綱場、筏場の両役所があって、通関及び使用料を取り立てていたという記録がある。
0/9
黒瀬湊 [エリア02]
舟と馬が行き交ったまち――八百津の「舟運」と「黒瀬街道」
0/6
舟運で栄えた八百津 [のんびりまち歩き]

山間地の特産品は、黒瀬街道を通って人や馬の背に運ばれ、中継地の久田見を経て、木曽川沿いの黒瀬湊に届けられました。そこから舟に積まれ、下流の各地へと送られていったのです。 下流に到着した舟には今度は塩などの生活必需品が積まれ、風を帆に受けて再び上流へと向かいました。そして黒瀬湊に着くと、荷は再び人や馬によって山国へと運ばれました。 このように黒瀬湊は、物流の拠点としてだけでなく、人が行き交う場所にもなり、東西の文化が出会う交流の場として栄えました。さまざまな人々が集い、酒を酌み交わしながら親交を深めていたのです。

水田が水を綺麗にし、住みよい環境づくりにも役立っています。

水田に水が張られると、まず微小なプランクトンが発生し、それを餌にする水生昆虫や巻貝、ドジョウなどが姿を見せます。畦(あぜ)ではイナゴなどの昆虫が現れ、それを食べにカエルが集まり、さらにカエルを狙って鳥たちが降り立ちます。こうして水田には、さまざまな生きものが集まり、ひとつの小さな生態系がつくられます。 また、水田に入った水は、土の層を通ることで自然にろ過され、地下にしみ込むころには、よりきれいな水になっています。この水は地下水となって蓄えられ、やがて河川に流れ込み、水量を安定させる役割も果たします。 さらに水田は、地下水の量を一定に保つことで地盤沈下を防いだり、大雨の際には洪水や土砂崩れのリスクを和らげる働きもあります。また、田んぼの水が蒸発することで気温の上昇を抑えるなど、私たちの暮らしや環境にさまざまな恩恵を与えてくれています。

花盛酒造株式会社

久田見に暮らす若者たちのグループ「あおやぎ青年隊」は、それぞれが本業を持ちながらも力を合わせ、休耕田の再生に取り組みました。みんなで協力して田んぼの手入れを行い、見事に休耕田をよみがえらせたのです。 そこで育てられた酒米を使って、花盛酒造が仕込んだ地酒が「久田見」です。

蔵元やまだ

酒造りにおいて、仕込み水の水質は発酵に大きな影響を与えるため、蔵元は水源の管理に細心の注意を払います。源流の豊かな自然が守られていることは、良質な水を育み、酒造りにも良い影響をもたらします。 自然や環境、そして伝統産業は深くつながっており、このような水の循環を通じて、私たちの暮らしも支えられています。 米の持つ旨味を最大限に引き出す職人の技と、長年積み重ねてきた経験が合わさることで、蔵元が目指す理想の日本酒が生まれます。 八百津町の酒蔵「蔵元やまだ」が手がける「玉柏 純米大吟醸」は、フランス人ソムリエが選ぶ日本酒コンクール「Kura Master 2023」において、最高賞「プレジデント賞」を受賞しました。

「80%が山の町」で採れるもの。郷土料理と地酒を味わう

殺菌効果のあるほお葉や酢飯を使うことで日持ちがする「ほう葉寿司」は、野山での作業の際に持っていくお弁当として、八百津でよく作られてきました。 また、食材が少なくなる冬の保存食として作られた「こうじ漬け」は、冬場に不足しがちなタンパク源を補うために、野鳥やスルメ、揚げなどを材料にして工夫された郷土の味です。 どちらも、身近にあるものを無駄なく活かし、暮らしの中から生まれ、長く受け継がれてきた地元の味わい。人々の生活に根づき、必要とされ、愛されてきた料理です。 そんな八百津の味と、地酒をあわせて、まるごと八百津を楽しんでみませんか?