岐阜県は、実は「近代養蜂の発祥の地」として知られています。
明治時代以降、養蜂業が盛んに行われ、養蜂器具の製造や、全国を旅する転地養蜂家たちの休憩地としても栄えてきました。
そんな岐阜の中でも、東濃地方では「そよごはちみつ」、西濃地方では「レンゲはちみつ」など、地域ごとに異なる個性豊かなハチミツが採れるのが魅力です。
山の恵みに包まれて

永田養蜂は、岐阜県東部の八百津町にあります。木曽川のほとり、四方をやさしい山々に囲まれたこの里山で、ミツバチたちは自然の中を自由に飛び回り、季節ごとの花々から蜜を集めています。
春は山桜、初夏にはアカシアや栃(とち)、そして夏の百花蜜へと──その季節にしか味わえない香りや風味の変化を、瓶の中にぎゅっと閉じ込めたはちみつをお届けしています。
永田養蜂では、採れたままの完熟した天然はちみつだけを販売。加工を加えず、自然のままの甘さと香りを大切にしています。
はじまりは、小さな「好き」から
永田さんが養蜂を始めたのは、今から約25年前。趣味として出会った養蜂の世界に魅了され、公務員を早期退職して、養蜂家の道へと進まれました。
当初は順調に進んでいたものの、やがて「ミツバチ崩壊症候群」と呼ばれる被害に直面。農薬の影響などでミツバチの数が激減し、ハチミツも思うように採れなくなってしまったそうです。
それでもあきらめず、環境を整え、ミツバチたちと丁寧に向き合いながら群れを再生。たくさんの試行錯誤と想いを経て、今もなお、里山の自然とともに養蜂を続けていらっしゃいます。
ミツバチと生きる、ということ
永田養蜂では、ハチミツの採集だけでなく、ミツバチが果たす自然界での大切な役割──たとえば、花粉を運び植物の命をつなぐ「ポリネーター(受粉者)」としての働き──そうした命のつながりや環境との共生についても、多くの方に知ってもらいたいと、学びの場や体験会も行っています。
自然のままの、こだわりはちみつ
永田養蜂で採れるはちみつは、すべて加熱やブレンドを行わない「天然・完熟はちみつ」。地元・八百津町の山桜や百花蜜をはじめ、近隣のアカシア、とち、そよごなど、地域の花々の個性がそのまま詰まっています。
どこか懐かしくて、やさしい甘さの天然はちみつ。大切な朝のひとさじに、疲れた日の癒しに、そして贈り物にも。
八百津の自然から生まれた、ぬくもりあふれるはちみつを、ぜひ一度味わってみてください。